虫歯治療最新事情◆見た目良い 削らない 痛くない耳を押さえたくなるドリルの音。治療して詰めた奥歯はギンギラギン――。虫歯治療にしり込みする人は多いが、見た目が 良く、できるだけ削らない治療が広まりつつある。(石塚 人生) ◆詰め物 奥歯の治療は、虫歯部分をドリルで削り、型を取って詰め物をするのが通常。「患者の9割は現在の虫歯治療に不満を持っ ている」と、東京医科歯科大教授の田上順次さん(46)(う蝕(しょく)=虫歯=制御学)は言う。詰め物による見た目の悪さと、 削る際の痛みが、その理由だろう。 詰め物の種類はいくつかある(表1)。奥歯の場合、保険が利く金属の詰め物が主流であり、金属自体は丈夫でも、金属と 歯のすき間から再び虫歯になりやすい。「金属の詰め物の寿命はせいぜい10年との報告もある」(田上さん)。
目下、注目されているのが、セラミックと強化プラスチックを混ぜた樹脂「レジン」を歯に接着する方法だ。 歯と同じ硬さですき間もなく、型を取らずに済むことが多いため、大半は1回の治療で済む。歯の色に合わせた樹脂を接着 するので、仕上がりがきれいなのも魅力。通常のケースでは保険が使える。 従来の治療では(上)金属の詰め物の部分に虫歯が(下)、詰め物を外すと、内側にも進行している。 希望すれば治療を受けられる場合が多い。ただし、技術的な問題や、すり減る場合もあるため、奥歯に行わないこともある。 「材料費が高い割に保険点数が低く、歯科医がやりたがらない面もある」と田上さん。 虫歯治療最新事情(2)◆削らない治療歯は出来るだけ削らないほうが長持ちする。だが、従来の治療では、健康な部分まで削ってしまうことがあった。
レジンによる接着技術の進歩により、削る範囲をこれまでの金属に比べて大幅に減らすことができるようになった。そのため、削る範囲が少ない方法が広まりつつある(表2)。いずれも痛みや振動が少ないのが特徴だが、保険が適用されない。このため、あまり普及していないのが現状だ。 ◆3―4か月に1度 専門家のケア利用 虫歯は予防するに越したことはない。丁寧な歯磨き、フッ素入り歯磨き粉を使う、歯の修復作用を持つキシリトールやリカルデントが入ったガムをかむなどの方法がある。 だが、毎食後きちんと磨いているのに虫歯になると悩んでいる人も多いはず。「歯磨きでは取り除けない歯垢(しこう)や細菌の膜がある。虫歯を個人の努力不足と責めるのは酷で、予防には歯科医によるケアが必要だ」と、ウチヤマ歯科医院(埼玉県所沢市)院長の内山茂さん(49)は指摘する。 内山さんは10年ほど前から、歯科衛生士などの専門家が、器具を使って歯の表面をきれいにする「PMTC」という方法を始めた。3、4か月に1度、定期的に口の中を掃除することで、虫歯予防効果が期待できる。ホームページで「PMTC」を掲げる歯科医院も急増している。 2002年3月17日 東京読売朝刊 |
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