高齢者行方不明問題

 全国各地で100歳以上のお年寄りが「行方不明」になっていることがわかり、大きな問題になっています。役所の資料にある住所には住んでおらず、一体どこに行ったかわからないというのです。

 私たちは、自分が住んでいる市区町村に、住所や生年月日、氏名などを届け出ています。役所では届けを「住民基本台帳」で管理し、地域の最高齢のお年寄りの情報などは、おもに住民基本台帳の情報をもとに出しています。

全国で次々発覚

 ところが7月、東京都内の男性では最高齢の111歳とされていた足立区の男性が、本当は亡くなっていたことがわかりました。これをきっかけに、ほかの市や区などでも、これに似た問題が次々と発覚したのです。100歳以上だけでも、全国で300人ほどのお年寄りの居場所がわからなくなっていることが明らかになりました。

 なぜこのようなことが起きるのでしょうか。お年寄りが、行き先を教えずに家を出て行ってしまったので、家族が本当に知らない場合があります。しかし中には、お年寄りが死んでしまったことを家族が隠し、役所からお祝いを受け取ったり、年金をもらい続けていたりしたケースもありました。生きているようにみせかけてお金をだまし取ることは犯罪です。このような悪質なケースは、警察が詐欺事件として捜査しています。

 また、お年寄りが本当に台帳に書いてある住所で暮らしているのかを、役所などがきちんと確認していない場合も多く、その対応を批判する声も出ています。

 ただ、こうした確認の作業が困難であることは確かです。

 役所では、台帳に書かれている内容が間違っていないかどうかをいろいろな方法で調べています。しかし確認のために家を訪ねても、「本人が会いたくないと言っている」と家族に断られることもあります。独り暮らしのお年寄りは社会とつながりが薄いことも多く、周りの人から情報があまり得られないことも、確認を難しくしています。

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(2010年9月7日 読売新聞)

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